もとは文字通り「内の証」で、内面の覚りを意味する言葉です。
自らの心の内の覚りですから、また「自内証」ともいいます。
これに対する言葉は「外用(げゆう)」です。
外用の用は「はたらき」の意味です。
したがって内証は、あくまで人間の行動と対応するもの、人の行為のよりどころとなる考え・信念、というのが仏教用語としての本義です。
「他者のうかがい知れない内面の世界」
というところから、表向きでない、内密のという意味に使われるようになり、さらに具体的に奥まった場所、くらしむき、金まわり、個人的な都合、妻などをあらわす言葉としても用いられ、その意味する範囲が非常に広くなりました。
このような多くの意味から、現代の日常語には
「人に言えない、内密の」
という意味だけが残りました。
さらに発音が「ないしょう」から「ないしょ」へと変化しました。
ちなみに内緒、内所は当て字です。