「そうだ……」 城主の大内国時はうなずいて、 「わしの国が今、仮に戦い…
2016年9月16日 小説「親鸞」
「そうだ……」 城主の大内国時はうなずいて、 「わしの国が今、仮に戦い…
そこはつい昨日まで、ぼうぼうと芦の生えていた沼だった。 所々の水田も…
親鸞は慰めるに困ったように、縁を下りて、なお慟哭してやまない弁円を、…
「――ああっ、おれは過(あやま)っていた」 ぐわらりと、大地に地ひびき…
「おう」 と、垂れこめた簾を徹(とお)して、その時、明らかな親鸞の答え…
疑っても疑いようのない事実が、麓から弁円の前へ、次々に注進された。 …