「浄土真宗でふさわしくない言葉は?」

葬儀の際に、亡くなられた方を偲ぶ様々な言葉が弔辞や電報で使われています。

よくよく聞かせて頂くとその言葉の中には浄土真宗の教えに照らしてみてふさわしくない言葉が多くあります。

代表的なものを少し挙げてみます。

例えば、

「永眠いたしました」は、「往生いたしました」。

「安らかにお眠りください」は、「お浄土よりお導き下さい」。

「冥福を祈ります」は、「故人を偲んでお念仏します」。

「天国」「黄泉の国」「冥土」「草葉の陰」等は「お浄土」。

それぞれに浄土真宗の教えに適ったふさわしい言葉の使い方があります。

我々浄土真宗の教えを頂くものにとりましては、単なる言葉の間違いではすまされない大切な問題です。

先に挙げました「安らかにお眠りください」というのは、人間の心情からいえば確かにそうだなと思うところもあります。

しかし、浄土真宗の教えの上では亡き人は浄土へと生まれ往き悟りの身となられて、そこでゆっくり眠っているのではなく、われわれを真実の世界へと導かんがためにはたらいてくださるのです。

ですから「安らかにお眠りください」ではなく「お浄土よりお導き下さい」という表現になるのです。

言葉には大切な意味が含まれています。

一つひとつの言葉を慎重にそして大切に味わいながら使わせていただきたいものです。

<参考文献>

◎『仏事のイロハ』末本弘然著(本願寺出版社)

◎『門徒もの知り帳』(上・下)野々村智剣著(法蔵館)