お経とは、お釈迦さまが亡くなられた後、その「み教えが散逸しないように」と、お弟子の方々がお釈迦さまの説かれたお言葉を書き留めたられたものです。
キリスト教には『聖書』、イスラム教には『コーラン』があるように、仏教は「仏教経典」があり、一般にはこれを略してお経と読んでいます。
ときに、よく「正信偈」をお経と思っておられる方がいらっしゃいますが、「正信偈」は親鸞聖人が書き著されたものです。
したがって、仏教においてはお釈迦さまが直接説かれたものをお経とみなしていますので、浄土真宗の門信徒にとって「正信偈」は大切な聖典ではありますが、厳密にいうとお経ではありません。
浄土真宗におけるお経とは
「仏説無量寿経」
「仏説観無量寿経」
「仏説阿弥陀経」
のいわゆる「浄土三部経」になります。
私たちがお経を唱えるのは、仏さまのお徳を讃え、そのご恩に感謝するためです。
したがって、
ご法事でお経を読むのは、その功徳を亡くなった方のために振り向けること(追善回向)が目的ではなく、今は既に仏さまに成られた方々の仏徳をほめたたえるためです。