『今を、一日を、一生を大切に生きる』

私が中学生の時と記憶していますが、国語の授業で

「少年老いやすく学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」

という漢詩の紹介があり、同時に

「時は金なり」

という諺(ことわざ)も教えてもらったように思います。

「時間はお金と同じように大切なものだから、無駄に使ってはいけない」

との先生の説明に、その時はあまりピンと来ないで、

「そんなものなのかなー」

と、漠然と受け止めていたものです。

人生は、先を見ると長いように思えますが、過ぎ去った日は本当に早く感じるものです。

例えば10年先と言うと、随分先のことのようですが、10年後の今は

「あっという間だったなー」

というのが、私たちの実感なのではないでしょうか。

過ぎ去った時間は、決して戻ってはきません。

だからこそ、今この現在を大事に生きることの尊さをこの言葉は教えているのではないでしょうか。

私は、

「時間=いのち」

と置き換えてもいいのかなと思います。

誰にでも平等に与えられている

「時間」

これは止めることも溜めることも出来ません。

確実に一秒、一分、一時間、そして一日、一月、一年を刻み続けるのが時間です。

このことを仏教では“無常”という言葉で教えています。

この世に生まれて死んでいくまでのいのちの営みを、どのように使っていくのか、それはまさにあなた自身の心がけ次第とい言って良いでしょう。

そうは言っても、なかなか充実した有意義な時間を過ごすことは難しいですね。

ついつい

「明日があるさ、あさってがあるさ」

といった思いで、怠け心の自分に負けている現実にがっくりすることもしばしばではないでしょうか。

けれども、せっかくこの世に生を受けた身です。

いのちの炎を燃やし尽くして生きる道にいま自分はたっているのかどうか、そういうことを一年の始まり月に

「問い」

として持っていただけたら…と願っています。