「泣いて生まれて笑って逝こう」(上旬)笑うことは遺伝子まで動かす

======ご講師紹介======

昇幹夫さん(日本笑い学会副会長・医師)

☆演題 「泣いて生まれて笑って逝こう」

昭和22年、鹿児島県生まれ。

九州大学医学部卒業後、麻酔科、産婦人科の専門医として昭和57年から大阪に在住。

平成11年に年間1,000名の出産を取り扱う病院を退職。

大阪市で産婦人科診療をするかたわら、「日本笑い学会」副会長として笑いの医学的効用を研究。

高齢化社会をダイヤモンドエイジにする長生きの秘訣と説き、現在は「元気で長生き研究所」所長として全国を講演活動中。

自称『健康法師』。

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それでは、笑うことによって病気が良くなるというお話をして参りましょう。

平成15年、筑波大学の村上和雄先生が、糖尿病患者に対する実験を行いました。

実験ではまず19名の重度の糖尿病患者を集め、500キロカロリーの食事を与えた後、糖尿病の講義を聴いてもらいました。

すると2時間後の計測で、みんな血糖値が上がりました。

平均で123ミリグラム。

最大で200ミリグラムも上昇しました。

この実験からわかったことは、つまらない講義は体に悪いということですね。

次の日の実験では、まず前回と同じ食事を与え、今度は大阪の漫才コンビに漫才をしてもらいました。

そして2時間後。

血糖値を計ると、なんと平均で77でした。

その差は46です。

実験に参加した患者さんも、血糖値が下がったことに驚いていました。

さらに、この血糖値の減少は、たくさん笑った人ほど大きな効果があったということも分かりました。

そして、これがアメリカの論文に速報で掲載され、それを見たロイター通信が世界中に配信したんです。

それまで、糖尿病はハイカロリー制限運動。

辛いことばかり言わないとなりませんでした。

しかは、厳密な実験の結果、

「これからはもっと笑いの生活をしなさい。糖尿病もこんなに良くなるよ」

ということが言えるようになったんです。

どういう理屈でこんなことが起こるのか。

これは、実は遺伝子が動いているんですよ。

今、笑いの効能はそこまで分かっています。

笑うことは、遺伝子まで動かすんですよ。

それこそ、笑いごとじゃないですね。

ガン細胞をわずか5分でやっつける

「NK(ナチュラルキラー)細胞」

という細胞があるんですが、実はこれを活性化させる方法があります。

その方法はたくさんあって、まず1つ目は笑うことです。

でも、

「笑い」

だけではなく、泣くことも有効なんですよ。

泣くときに大泣きしたら、さっぱりして気分がよくなるでしょう。

泣きたいのに我慢しろと言うのは、よくないんです。

泣かなかったら、泣けなくなる。

笑わなかったら、笑えなくなる。

「笑い」と

「泣き」

はどちらも大事。

泣きなさい、笑いなさい、なのです。

次に

「お華粧(けしょう)」

です。

この華やかにする

「華装」

というのが本来の字です。

だから老人ホームでも使われています。

自分がきれいになると、気持ちが元気になります。

3つ目は、人に話を聞いてもらうことです。

顔を見ただけで、声を聞いただけでホッとする人がいますよね。

これを

「ホッとライン」

と言います。

異性でも同性でも、年下でも年上でもいいので、そういう人が2人は欲しいですね。

次に、冷たい物をとらない、冷やさないというのがあります。

ガンは熱にものすごく弱いんです。

だから温泉が非常によく効きます。

温泉に入ると、皮膚の温度よりも内蔵の温度が2〜3度高くなりますから、湯冷めもしない。

そして中のガン細胞がやられる。

ところが、冷たい物をとると、腸の表面を守っているNK細胞、リンパ球などの免疫細胞がぴたっと動かなくなります。

冷たい物をとるな、冷やすなというのはそういうことなんです。

それから息の仕方。

複式呼吸をするということです。

だから、カラオケで歌うとNK細胞は元気になります。

そして最後に食生活。

“食い改めて”

「穀菜人(こくさいじん)」

になりましょう。

穀物と野菜は、体にいいですよ。