「家族の絆地域の絆」(中期)お年寄りが社会活動の一端を担う

皆さんに少しお願いなんですが、まだ社会のために働かなければいけないと思うんです。

もっと社会のために出てきたらいいのに。

いのちの電話のボランティア活動をしたらいいのに。

もっとお年寄りの方が社会活動の一端を担えばいいのにと思います。

コミュニティ心理学といのちの電話の関係についてのご質問がありましたが、コミュニティ心理学というのは地域全体のこころの健康を整備していきましょうということです。

今までの心理学というのは、個人を治療することだけを考えていましたが、コミュニティ心理学は、そのままでもいいんですよ、そんなあなたでもやっていけるように周りを変えましょう、周りの人があなたと上手にやれるように変えていきましょう、そういう考え方でやっています。

だから電話をかけてくる人を援助するだけではなくて、数10名のボランティアの方がいらっしゃいますが、そういう方を教室を開いて養成していく。

悩んでいる個人をお手伝いすることもしますが、同時にコミュニティ、地域や環境を整備していく。

わかりやすく言いますと、車イスだけれども不自由しない環境を準備してあげたらいい訳です。

お話ができないけれども不自由しない。

個人を鍛えるだけでなくて、治療するだけではなくて、社会を同時に変えながらうまく出来るようにしましょう。

これがコミュニティ心理学です。

これでいのちの電話とつながりましたかね。

ほかの例で言いますと、私は知恵遅れの子どもさんや自閉症の子どもさんも治療しているんですが、本人たちを一生懸命治療するだけではなくて、親を、先生を、兄弟をいろいろ一緒に教育していくというか、そしてこの子が暴れた時にはこんなにすればいいんだよとか、暴れるには理由があるわけですから、そういうことを兄弟にも教えていくのです。

それがコミュニティ心理学。

本人個人だけでなくその環境にも働きかける。

周りの人が接し方を十分に心得てくれたら不自由しない。

そういうことを周りが理解していくことで随分やりやすくなっていく、それがコミュニティ心理学的なアプローチの一つであります。