「線香は立てない」「焼香の際は押しいただかない」と言われましたが、なぜですか?

今年7月の仏事いろいろFAQ内で、お線香とお焼香の違いについて、記事がありますがそこからもわかるとおり、どちらも「供香(ぐこう)」と言い、「香りのお供え」ということがおわかりになったと思います。

ここで、よく門徒の形が疑問に思われるのが、『線香をたてない』ということと『焼香の際はおしいただかない』ということです。

ひとつずつご説明致しますとまず、『線香をたてない』のは、浄土真宗では何故寝かせるのかとい線香とは別の常香盤というものを用いていたことに由来しています。

常香盤とは、抹香を渦巻状にして端から火を点じ,長くたけるようにした香炉盤のことで、経過した時間を知る目安ともしたものです。

これが起源となり、線香を寝かせるようになったといわれています。

『焼香の際、おしいただかない』のは、指につまんだお香そのものが有難いわけではなく、焼香した時のお香から立ちのぼる、あの清浄なる芳しい香りが、仏様を招来する働きがあると考えられ、仏様のお慈悲の心にも触れることができるとされているのです。

なお、おしいただく回数は、それぞれの宗派によって異なりますが、一つ一つの行為に意味合いがありますので、どれが正しいということは難しいように考えます。

浄土真宗本願寺派の焼香のお作法は、過去の記事にもありますが、香を香炉にいれる回数は1回だけです。

以下をご参照下さい。

※焼香卓(しょうこうじょく)の手前で、軽く頭を下げる。

※卓の前に進んで、お香を1回つまんで、香炉にいれる。

※お香を入れる前に、合掌はしません

※お香をつまんで、額にいただきません

合掌し、お念仏申して、礼拝。

卓から後退(1・2歩)し、軽く頭を下げる。

正しい意味をきちんと理解して、仏さまのお心を感じていきたいものです。

合掌。