甲子園 たくさんの感動をありがとう

私は毎年8、9月に地元のナイター野球を楽しんでいます。

普段の運動不足がたたり、年々少しずつ動けなくなってきている自分を情けなく思いながらも、勝敗にさほどこだわらない楽しい野球をしています。

数年前に地元のナイター野球に、その年の夏の甲子園に鹿児島県の代表として出場し、しかもそのチームでレギュラーとして活躍した地元出身の高校球児が、甲子園の大会出場後に対戦相手のチームのメンバーとして参加していました。

さすがに現役の高校球児ということもあり、私のチームのピッチャーが投げる球をまるでピンポン玉のように軽々と打ち返していた姿が印象に残っています。

以前は、甲子園といえば、出場するのはほとんど鹿児島市内の高校でしたが、次第に鹿児島市以外の高校も出場するようになり、近年鹿児島県の高校野球界は「群雄割拠」といった様相を呈してきました。

そのような状況の中で、甲子園出場を勝ち取ったチームは、そこに至るまで、本当に血の滲むようなたくさんの努力をして頑張ってきたんだろうなあと思いながら見ていることです。

先月、第96回全国高校野球選手権大会が開催されました。

毎年のことながら、高校球児が一生懸命にプレーする姿は勝敗をこえて感動させられるものがあります。

今年鹿児島県からは、鹿屋中央高校が大隅半島から初めて夏の甲子園への出場を果たしました。

大会では、初出場ながら見事初戦を突破し、選手のハツラツとした清々しい姿に、県民の方々はもとより、地元鹿屋の方々は特にワクワクしながらテレビの前で観戦・応援されたことかと思います。

数年前テレビ番組で、以前日本で仕事をしていた外国の方が、わざわざ日本の高校野球、それも地方大会を見るためだけに来日している様子が紹介されていました。

高校野球には、それだけの「人を惹きつける何か」があるのだと思います。

それは何かというと、プロ野球はリーグ戦ということもあり、シーズンを通して戦い順位が決まりますが、高校野球の場合はトーナメント形式であることから、1回負ければもうそれで終わりです。

そのため、一戦一戦全力を尽くし、一生懸命に戦う姿が見る人に多くの感動を与え魅了しているのだと思います。

また、おそらくそれぞれのチームには、監督、コーチ、選手、マネージャーなど、一人ひとりに様々な物語もあることかと思います。

この夏、高校野球に関わった人たちは、きっとこの夏は「あの夏」として、心の奥深くに燦然たる輝きをもって刻まれていくことでしょう。

特に、各県を代表し大会に参加した高校球児はその勝敗の如何にかかわらず、人生の中でも得難い貴重な経験をしたことと思います。

日々の練習、地方大会、そして甲子園という大舞台での試合、本当にお疲れ様でした。

そして、たくさんの感動をありがとう。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。