インドネシア珍道中

2月半ば、数年前よりお世話になっている先生や先輩方、後輩とボロブドゥールをメインとする仏教遺跡巡りの旅をしてきました。

20名程の参加者のほとんどが、同校卒業生。

年齢も上は70歳くらいから下は22歳という年齢層ではあったものの、ほぼ同校卒業生というだけで、「間違いなく楽しい旅になる!!!!」

そして、「アルコール三昧と珍道中になる!!!!」

それが、この卒業生たちの旅の醍醐味なのかもしれません。

初日は関空からバリ島の空港経由でジャワ島へ。

現地時間で20時にはジャワ島へ到着しているはずが、バリの空港で天候不良のため、2時間の足止め。

…となると、始まるのが飲ん方。

現地のビールで乾杯!

1杯のつもりが2杯、3杯と、気づいたら大概もうみんなできあがってる。

そして2時間の待ち時間の予定が、更に1時間半遅れ…飲ん方、再開。

なんだかんだで、ジャワ島へ着いたのは夜中。

そして、準備されていた夕食は0時過ぎ。

初日から何かしらある。

でもそれはそれで楽しい。

今回のホテルは、4年前のインドと違い、結構いいランクのところで、しかも私はシルグルの希望を出していなかっただけで、他のみなさんと同料金で広い部屋を独り占め♪

翌朝、先生の部屋でおあさじ(朝の勤行)があったんですが…、シングル希望されていた先生の部屋より広かった…(笑

翌日からはジャワ島の仏教遺跡巡り開始!…しかし暑い。

灼熱の降り注ぐ35度。

バス移動は場所によっては30分〜2時間かかる。

そしてバス車内は、ウイスキーやらブランデーやらの香りがぷーんと立ち込めるのです。

これは、この企画の旅行ではお馴染みです。

先生や先輩方が、普段私の口には入らないようなお酒を持ってきてくださっており、何の遠慮もなく頂戴していました。

ところで、インドネシアはイスラム教の信者が多いそうです。

なのに、「どうして仏教遺跡が?」と思われませんか?

昔、インドネシアは仏教国だったそうです。

それで、今なお仏教遺跡が残っているということでした。

しかし、数年前のスマトラ島沖地震で遺跡も崩れ、修復の終わった遺跡、まだまだ手もつけられていない遺跡、様々でした。

スコールにあい、見学予定の遺跡が見学できなくなり、翌々日に延期。

その間、時間が空いたこともあり、急遽ジャコウネコの糞から採れるという、日本では高額の値段のつくコーヒー店へ。

そこらへんの柔軟性も、この旅の醍醐味。

基本的に昼食時、車内、夕食時、ホテルに入ると誰かの部屋で飲む。

常にアルコールありきの旅なのです。

2日目のホテルは、世界遺産ボロブドゥールから徒歩10分圏内にあるホテル。

こちらは連泊でやはり広々独り占め。

目の前には青々と繁った木々と芝生が広がり、出発時間までテラスでくつろぐという癒し。

さぁ、いよいよボロブドゥール見学。

釈尊の前世であるジャータカ物語や、釈尊の生涯のレリーフ。

1,000年以上密林に埋もれ、18世紀に発見された遺跡が「こんなにもきれいに残っているのか!」と思うほどの美しさ。

そして、何といっても先生、ガイドさん、仏教遺跡をメインにしている旅行社の添乗員さんによる説明付き。

豪華!

仏教が栄えていた頃のインドネシアに思いを馳せながら、今私が仏教に出会えたことの喜びを感じたことでした。

…が、日陰がないんです!

3時間ほどボロブドゥール遺跡に滞在したでしょうか。

もう汗ダラダラ。

脱水症状寸前のところで、一度ボロブドゥールを離れ昼食会場へ。

インドネシアのビール、ビンタン(大瓶)を何本、オーダーしたことでしょう。

すぐ空になり、さらにオーダー。

灼熱の太陽にさらされた後のビールは最高!ゴハンも何を食べてもおいしい!

至福の一時を味わいながら、一度ホテルへ戻り、夕方までフリー。

夕方からはボロブドゥール遺跡でのサンセットツアーへ。

ところが雨。

しかもやむ気配もないまま、貸し出されたレインウェアと懐中電灯を持って遺跡へ。

しばらくたってもやむ気配なし。

サンセット、残念だったな…、そう思い始めた時、雨がやみ雲間から夕日が!美しいものを見ると、ナゼカ涙が出そうになるものですね。

その夜も、毎晩誰かの部屋で行われる宴の席でサンセットの美しさを語った…ものです。

翌日のサンライズは4時集合。

前夜も0時頃にお開きになったけど、気合いで起きる。

暗闇のなかを遺跡の急な階段をヒヤヒヤしながら上り、頂上までたどり着く。

サンライズまではしばし時間があったので、ちょっと仮眠。

遠くに見える山の辺りから、少し雲に隠れたりはしたけど、あのオレンジとも金色とも譬えようのない美しい太陽を見ながら、今日もいのちいただけた喜び、この旅に参加できた喜び、そして私をこの旅に送り出してくれた親への感謝。

いろいろな思いがめぐりました。

生きているって、それだけで尊いことなんだ、と…改めて思ったことです。

ジャワ島からバリ島へ向かう手荷物検査前。

キャップの空いたブランデーがあったことが発覚!手荷物検査前に、みんなで瓶を回し飲み。

どんな日本人に思われたことでしょう(笑

また機内に入って、まず思った通りこと。

エアコンが入っていない。

とにかく暑い。

機体が動き初めてから、エアコンが入るが、もう遅い…私は爆睡。

そして、たまたま隣の席だった先生の肩にもたれかかる、という失礼極まりない生徒。

笑って誤魔化しましたが。

初バリでしたが、ジャワ島と違って都会!そして日本人多い!ジャワ島のレストランではなかったワインもおいてる。

その日の夕食でも、もちろん飲みました。

ホテルに戻ってからも、やはり飲み直し。

せっかくバリに来たんだし、現地のクラブに行きたかったけど、そこは断念して、やはり先生、先輩方と飲むことが優先です!

マリンスポーツもしたかったけれど、遠くに海を見ただけ。

現地の最終日、ヒンズー教の総本山というお寺へ参るために、片道2時間のバス移動。

最終日ともなると、持ってきたウイスキーやブランデーは底をつき、コンビニを探してキンキンに冷えたビールを調達。

やっぱり、飲めるメンバーでの旅は楽しい!

総本山への移動中、現地のお葬式の場面にも出くわす。

向こうのお葬式は、お祭り騒ぎ。

「えー!棺落ちるよ!」と、思わず叫んでしまいそうになるような…、日本で言えばお神輿をワッショイワッショイと担ぐような雰囲気。

日本のお葬式とは違い、「誰でも来ていいよー!」というノリ。

ということで、バスを降り、手を降りながら、カメラを向けると、相手も手を振り返してくる。

そして、ほとんどの人が笑顔。

ところ変われば…と、驚きと共に興味がわいてくる。

さぁ、ヒンズー教の総本山へ到着したはいいけど、バス停からめちゃくちゃ坂道を歩く。

どちらかと言えば、参加者の中では私は若手の方だったけど、「無理…」と思う。

みんなそう思ったのか、またそういうツアー客を見越して、バイクタクシーがスタンバっている。

全員、バイクタクシー利用。

ヒンズー教の総本山はどちらかというと「しーん」と静まり帰っている雰囲気。

聖地という場所があって、ヒンズー教徒以外は入れない。

また、女性でも生理中は穢れがあるから聖地に入れない、と。

でも、「明らかに観光客だろう?」と思われる人が聖地に入っていく。

ガイドさん曰く、「結局はお金」ということらしい。

総本山をあとにして、昼食会場へ。

ここの昼食会場の眺めが素晴らしい。

延々と続く棚田を見ながら、オープンテラスでのランチ&アルコール。

少し湿気はあったものの、通り抜ける風が心地よく、アルコールがすすむすすむ。

昼食後、バリでガイドをしてくださった方が自宅へ招待してくださったんです。

何でもそのガイドさんは、代々村の祭司を務める家系だそうで、自宅にも神々を祀る祠があるとのこと。

せっかくなので20名で押し掛けました。

現地の家の造り、神々を祀る祠、ガイドさん手作りのココナッツの(アルコール度数めちゃくちゃ高い)お酒。

普通の旅行では、なかなか経験できないですよね。

ガイドさん宅でゆっくりさせていただき、夕食の時間も迫っていたため、おしゃれな海鮮レストランへ。

レゴンダンスを見ながら、メインはオマールエビ。

ところが、私、甲殻類苦手なもので…、オマールエビには手を着けず。

ガイドさんからいただいたココナッツのお酒は水割りで、レモンを入れると、なかなかおいしかった。

さぁ、後はもう空港へ向かうばかり。

「もっとここにいたい!」という名残惜しさは山ほどあるけど、やはり帰る家があるということは本当に有難いこと。

待っててくれる人がいるということは、本当に有難いこと。

国内でどこそこ行く時には、特に考えもしないけど、海外へ行くと、帰る家があること、私の帰りを待っていてくれる人がいることをこころから有難い、と思う。

今回もアルコールメインの旅になっている感は否めないけど、インドネシアには昔昔、仏教の教えが広まっていた、仏教が尊ばれる国のひとつだったんだ、という歴史を喜び、インドネシアを後にした。

「次はどこの仏教遺跡を訪れるんだろうか」ということを楽しみに、また貯金しよ…!

と、その前に今月末から全くの勢いで、「格安香港一人旅」してきます。

これは、完全に…太る旅行になるでしょう。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。