しかし、30歳を過ぎたころ、ある日突然、これまで本気で信じていた未確認生物の存在を信じられなくなり探検隊の活動を中止しました。それからは、またヒーローものをやろうということになりまして、探検隊の仲間5人で「オモチャキッド」を2003年に制作しました。それまではボランティアでショーをしていましたが、ここからはテレビ番組化しようと思っていました。ヒーローをデザインして名前を決めて、アクション練習をして、初公演まで半年くらいかかりましたが、MBCがその間ずっと密着取材をして「ヒューマン九州21」という九州ネットのドキュメンタリー番組で放送してくれました。南日本新聞にも「鹿児島にこんなヒーローが誕生しました」と記事が掲載されました。
「オモチャキッド」は2004年から2006年まで毎週5分の番組を2年間放送させていただき、たくさんの子どもたちに喜んでもらえて、全国にもこの鹿児島のヒーローを取り上げていただき、思い残すことなくやりきったという感じでした。
そのころ、世の中にまた新しい流れが起きました。滋賀県彦根市の「ひこにゃん」というキャラクターの誕生がきっかけとなり、全国に「ゆるキャラ」ブームが起こりました。滋賀県は観光資源の乏しい県でしたが「ひこにゃん」が誕生した年の関連グッズの売上は197憶円、観光に従事する雇用1900人が生まれました。続いて奈良県の「せんとくん」や熊本県の「くまモン」など全国各地に多くのキャラクターが誕生し、これらの宣伝効果は抜群で、関連グッズの売り上げは地域経済に大きな利益を生みました。
なぜ2006年に「ゆるキャラ」ブームが起こったのかご存知ですか。今「地域創生」という言葉が叫ばれていますが、平成の市町村合併が始まったのが2006年です。地方創生や市町村合併を分かりやすく伝える一つの手法として、地方自治体が「ゆるキャラ」を生み出し、大きなブームになりました。
もう1つエンターテインメントの世界でいうとインターネット上に「ユーチューブ」という動画サイトがこの年に始まりました。1つの動画が町全体の流れを変えてしまったのです。