いじめの起きる現場は学校です。
今そこで子どもたちは苦しんでいます。
ところが、このいじめを生んでいたのは、私たち大人だったのではないでしょうか。
子どもたちに、それもいじめを受けている子どもたちに
「あんたにも何か原因があるんじゃないのか。思い当たることはないか」
「もっと割り切ることは出来ないものか」
と言ってしまっているんじゃないでしょうか。
そして、いのちを絶たざるを得ないほど、心を病に侵されて死んでいった子どもたちのことを、最後に「弱い子」だったとして締めくくっていい問題だったのでしょうか。
子どもたちは今、苦しんでいるんです。
幸せに自由に生きる権利を持ったいのちであるということを、お互いが確認し合い、守り合うということはなかなか出来ません。
私はいじめや自殺で亡くなった子どもたちがどのような人物だったのかを知ってもらうため、本人のメッセージや作品、写真などの展示も行っています。
実は亡くなっている子の親御さんは、ほとんどの方が「優しさ」をテーマに子育てをしていたんです。
そして、子ども達はみんな
「やり返してはならない」
と教わっていました。
彼らは、やり返さないで、解決策を一生懸命探していました。
そうやって頑張っていく中で、心はどんどん病へと進んでいってしまったんです。
亡くなった子たちは、本当に弱い子だったのか。
それとも非暴力を貫いた強い子たちだったのか。
みなさんに感じていただきたいと思います。
私の娘の香澄のことも紹介しています。
香澄は亡くなる四日前、私に
「優しい心が一番大切だよ」
とはっきり言っていました。
私は香澄がこのメッセージを残すとき「一番」という言葉を使っていることに意味を感じています。
私たちはこれからの人生を、一人で生きていく訳ではありません。
人と出会い、人とつながり、支え合いながら生きていくんだと思います。
私は人が人と出会い、つながるときに何よりも一番大切なもの、それが優しい心だと思っています。
あまりにも当たり前で身近な言葉です。
もしそうかもしれないと思って下さる方がいらっしゃいましたら、ぜひこの言葉をここからもう一歩外へ、またもう少し大きく広げていったら嬉しく思います。
皆さん
「優しい心が一番大切だよ」
という言葉を伝えるメッセンジャーとなって下さい。