お仏壇にお供えするものとしては、お仏飯の他に、お菓子・果物・お餅などがありますが、いずれも自分が頂くよりも先に、「まず阿弥陀さまにお供えして、その後のお下がりを頂く」というのが、私たち浄土真宗門徒のたしなみです。
先ずお水ですが、確かにお仏壇にお供えはするのですが、それは亡くなった方や仏さまの「飲み水」としてではなく、「香水」としてです。
また、お供えする際には、コップやお茶碗によってではなく、専用の仏器を用います。
「華瓶」と書いて「けびょう」と読みますが、これに水を入れて仏飯器の隣に二つお供えします。
最近、ご家庭のお仏壇で「華瓶」を見かけた時には「毎朝これに水を入れて…」お願いしていますが、華瓶のないご家庭では「あえてコップやお茶碗を用いて水をお供えなさらなくてもけっこうです」とお話しています。
ただし「華瓶」のないご家庭では、毎朝、花立ての水を替えて下さい。
それで、お水をお供えしたものとみなしているからです。
次に、お茶ですが、お仏壇のお供えの中には入っていません。
したがって、原則的にはお供えなさる必要はありません。
一般に、朝のお参りの際にお供えして、それを翌日の朝に捨てて、また新しいお茶をお供えなさる方が多いようですが、それでは時間を少し繰り上げると「毎朝お茶を捨てている」ということになりはしないでしょうか。
始めから「捨てる」と分かっているものをお供えするのは「もったいない」ことをしていると言わざるを得ません。
もし「毎朝お茶を頂くので、その前に阿弥陀さまにお供えしたい」と思われるのであれば、お仏飯と一緒にお供えをして、朝のお参りがすまれたら、お仏飯と一緒に下げて飲まれたら良いと思います。
けれども、お供えしたままにして、翌朝捨てられるのであれば、本来お茶はお供えの作法に入ってはいませんので、あえてお供えなさる必要はないのではないでしょうか。
なお、お茶をお供えされる場合、お供えの場所はお仏壇の中央ではなく、下段に置くようにして下されば良いと思います。