一般的に
「お葬式」
といわれものは、浄土真宗では
「葬儀」
という名称で勤めています。
しかし、最近では僧侶も呼ばずお経も読まれない
「お別れ会」
という形で催されることが増えてきているようです。
遺族の心情からすると、ただの通過儀礼になるよりは宗教を介在しない方が良いということなのでしょうか。
葬儀とは、亡き人を偲んで有縁のものが集まって、共に読経念仏して、尊い仏縁をいただくことです。
また、参列した私自身に、死の問題や生きることの意味を真摯に問いかける大切な機縁でもあります。
そこには、亡き人が仏となって生き続けていける世界があるということを忘れてはなりません。
また葬儀は
「告別式」
ではありません。
本来告別式とは、明治時代に出来た
「無宗教の葬式」
を意味する言葉ですが、単に別れを告げるのであれば、亡き人と二度と会えないこということになってしまいます。
しかし、私たちはお寺参りや法事等の仏縁を通して、阿弥陀仏のはたらきによって亡き人とまた遇える浄土の世界があることを聞かせて頂いています。
このような意味で、葬儀を勤めることの意義とは、阿弥陀仏の徳を讃嘆すると共に、亡き人を偲び、浄土での再会を約束させて頂くところにあるのだといえましょう。