マコモダケという植物を知っていますか。
マコモダケの歴史は古く、お釈迦さまがその葉でムシロを編み、その飢えに病人を寝かせて治療をしたという話もあるそうです。
また、日本では万葉集にも登場し、マコモダケから採取した黒穂菌の胞子はマコモズミと呼ばれ、お歯黒や眉墨、漆器の顔料などに用いられてきたそうです。
そんな古い歴史のあるマコモダケに私が出会ったのは、2年前のことでした。
東京の炉端焼き屋さんで、運ばれてきた野菜の中の1つにこのマコモダケが入っていました。
見た目は細いタケノコ…といった印象でした。
あまり見慣れない食材なので、気になりながらも食指がのびず、とうとう最後まで残ってしまいました。
勇気を出して一口食べてみると、アスパラガスのような食感に、癖のない味で、あっという間に食べてしまいました。
帰りがけ店員さんに
「あのタケノコのような細い食材は何ですか」
と尋ねると、
「マコモダケです」
という、初めて聞く名前が返ってきました。
それからずっと
「マコモダケはどこで買えるんだろうか」
と探していると、偶然見たテレビ番組で
「9月末からマコモダケが店頭に出ます」
という情報を目にしました。
スーパー等で見かけることはあまりありませんが、鹿児島でも手に入るみたいです。
9月末から11月初めの頃までという短い期間でしか食べることの出来ない
「マコモダケ」
今を逃すと、来年の秋までは口に出来ないので、興味のある方は、ぜひ一度食べてみてください。
くせがないので、さっと茹でたり、グリル焼き、炒めものにも向いているほか、新鮮なものは生食してもおいしいですし、細かく刻んで餃子、ハンバーグ、チャーハンなどに用いることもできます。