ご門徒の方とお話をしておりますと、時々「これ(念珠)は正式にはなんという名前なんですか?」という質問をいただくことがあります。
私の立場(浄土真宗本願寺派僧侶)と致しましては、『お念珠(ねんじゅ)といいます』とお答えさせていただいております。
違いがあるか、と言えば物としてはまったく同じものであるいえます。
違いがあるとすれば、名称が異なるといえます。
また、用いていく意味が異なるから立場によって、呼び方が異なるとも言えます。
「語源的」には、念仏を称える時に、その回数を数えるために・数珠の玉を指でつまぐった(指で数珠玉をはじき送った)ので、念珠と言われており、またその念仏の回数をかぞえるために使われたものであることから数珠というわけです。
浄土真宗においては、珠を繰りながら(数を数えながら念仏するというような、念仏を称える数に意味はありません。
そのため、お念仏する時に用いる珠として念珠とよぶのです。
お念珠は仏さまにお参りする際に用いる大切な「法具」です。
粗末に扱ったり、乱暴に用いたりすることのないよう、また床や畳に直接置くことのないよう、丁寧にそして、大切に持つように心がけましょう。
また、仏前でお勤め、礼拝、またお焼香をする時には、必ずお念珠を両手に掛けてお念仏し、阿弥陀様のみ心と教えをいただくようにしましょう。